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とんど来ないために、予定入場人員数が極端に低く、主催者が期末を控えて周章狼狽する姿は、よく見られる現象なのである。
村や町を興そうとする時に盛り上ってくるエネルギーは、ある時期に達すると、かなり高度に燃え上るのが常である。これを口コミを中心に、一人から一人へと横に移していこうとする努力が必要である。つまり、成功例を見ていると、実際に活動する人ばかりではなく、住民の中にこの人々の行動と結果を支えようとする意識が、徐々に育成されている場合が多い。
必要なのは、まず村内町内市内県内を丹念に歩く努力である。文化を発見したり再評価しようとする人々がいるのを住民が語りあうことによって、一人ひとりが足もとを見つめようとする意識を持つことである。
殊に狭い村内町内ではそうであるが、興そうとするグループはもちろん、自治体職員が文書に頼らずに、現場主義に徹して、地域を歩き、住民と話しあう場を作らなくてはならない。
その上で、何らかの形の一石を投ずるのである。せっかく一時的な成功を収めていながら、残念なことに継続の困難を訴えている市町村は、予算の単年度内消化その他の理由に引きずられて、タテ型に結末を急いだあまり、支持層の造成を配慮していない場合が多い。
絵画、彫刻、工芸品、建築物、埋蔵文化財などは、個人や小数のグループ、あるいは自治体の新たなる主導によって地域おこしが始まる例が多い。
しかし、伝承芸能は村人が歴史的な長い歳月にわたって、繰り返しエネルギーを注ぎ込んできた結果、神事とのつながりの有無にかかわらず、地縁血縁の深い関係が、過疎の現在でも顕在潜在して、横にひろがりのある支持層を作っている。
しかし、これらの人々が資金不足や集客の激減によってやる気を失うことによって衰亡の道を辿っている場合、これを復元しようとする際に、保存会側はまず資金を問題にすることが多いようである。
ところが、伝承芸能や祭りによって地域おこしに成功した町村をみると、最初にあったのは、とにかくやるだけやってみようとする意志を持ったほんの数人の人々がいたのが共通の現象である。
それは年齢、性別、階層を問わない、少くともやる気がある3人以上の人が結束すれば、成功までの時間の長短はあるにせよ、やがては復元やかなりの観客動員に至る祭りに発展する可能性がある。
地方での問題点の一つは、どの段階で自治体が支援に乗り出すかである。
理想的な形としては、住民の企画が自治体の地域振興策と合致することがあるが、この場合には事前の十分な根廻しやかなりの部分の合意が必要である。国及び自治体特有の
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